ランニングによる怪我の予防と対策|治療院が教える専門的アドバイス
春の陽気に誘われて、ランニングを始める方が増えています。しかし、急な運動は思わぬ怪我を招くことも。この記事では、ランニングによる代表的な怪我とその予防・対策について、治療院の専門的な視点から解説します。

- 1.ランニングによる代表的な怪我とは
- 2.怪我の原因とメカニズム
- 3.予防のためのストレッチとウォームアップ
- 4.正しいランニングフォームとシューズの選び方
- 5.痛みが出たときの対処法
- 6.当院での専門的なケア
- 7.安全にランニングを楽しむために
ランニングで起こりやすい代表的な怪我
ランニングでは同じ動作を繰り返すことが多く、身体の特定の部位に負担がかかりやすいです。以下は、特に多く見られる代表的な怪我です。
ランナー膝(腸脛靱帯炎)
膝の外側に痛みを感じる症状で、長距離ランナーに多く見られます。走る際の足の着地やフォームの乱れにより、腸脛靱帯という太もも外側の筋膜が膝の骨とこすれ炎症を起こします。
シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)
すねの内側にズキズキとした痛みが出る症状で、初心者や急に運動量を増やした方に多く見られます。筋肉が骨を引っ張ることで炎症が起きます。
足底筋膜炎
かかとから足裏にかけての痛みが特徴です。ランニングによる衝撃や合わない靴によって足裏の筋膜が引っ張られて炎症を起こします。
アキレス腱炎
かかとの少し上、ふくらはぎと踵をつなぐアキレス腱に痛みが出る症状です。過剰な負荷や柔軟性不足が原因となります。

怪我の原因とメカニズム
ランニングによる怪我の多くは、特定の動きや習慣が積み重なることで起こります。主な原因は以下の通りです。
- オーバーユース(使いすぎ):同じ部位に繰り返し負荷をかけることで組織が損傷します。
- フォームの乱れ:姿勢の崩れや体の左右差が影響し、偏った負荷がかかります。
- 合わないシューズ:クッション性やサイズが合わないと足に余計な負担がかかります。
- 柔軟性の不足:筋肉や関節が硬いと衝撃をうまく吸収できず、怪我につながります。
こうした原因を正しく理解し、適切な対策を行うことが怪我の予防に直結します。
怪我の予防法
ランニングによる怪我を防ぐためには、いくつかのポイントを押さえて日頃の習慣を整えることが大切です。ここでは初心者の方でも実践しやすい予防法をご紹介します。
ウォームアップとストレッチをしっかり行う
走り始める前に、体を温めるウォームアップを行いましょう。軽いジョギングや動的ストレッチで筋肉や関節をほぐすことで、怪我のリスクを減らせます。走った後のクールダウンも重要です。静的ストレッチを取り入れて筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を助けます。
正しいランニングフォームを身につける
フォームが崩れると、特定の筋肉や関節に過度の負担がかかり怪我につながります。背筋を伸ばし、肩の力を抜き、着地は足の真下に体重がかかるよう意識しましょう。フォームチェックは動画で自分を撮影したり、専門家に見てもらうのも効果的です。
適切なランニングシューズを選ぶ
足の形や走り方に合ったシューズを選ぶことは、足や膝への負担軽減に繋がります。専門店で足の形を測定し、走り方に合った靴を選びましょう。シューズは使い続けるとクッション性が落ちてくるので、定期的に買い替えることも大切です。
徐々に距離や強度を増やす
急に長距離を走ったりペースを上げると、筋肉や腱が疲労して怪我をしやすくなります。無理せず自分の体調に合わせて、少しずつ負荷を増やしていきましょう。
体のケアを怠らない
疲労が溜まったら休息を取ること、体の違和感を感じたら無理せずにストップすることも重要です。また、マッサージや鍼灸などの専門的ケアを取り入れるのも効果的です。
痛みが出たときの対処法
ランニング中や後に痛みを感じた場合、早めの対処が怪我の悪化を防ぎ、回復を早めます。ここでは、痛みが出た時に取るべき基本的な対応方法をご紹介します。
安静(Rest)
痛みや違和感が強い場合は、まずは無理をせずランニングを休みましょう。患部に負担をかける動作は控え、身体をしっかり休めることが重要です。
冷却(Ice)
炎症や腫れがある場合は、氷や冷却パックで患部を冷やします。冷やすことで血流を抑え、痛みや腫れを軽減できます。1回につき15〜20分を目安に、直接肌に当てずタオルを挟んで冷やしましょう。
圧迫(Compression)
患部を包帯やサポーターで軽く圧迫することで、腫れの広がりを防ぎます。ただし、強く巻きすぎると血流が悪くなるため注意が必要です。
挙上(Elevation)
可能な場合は、患部を心臓より高い位置に上げると、腫れを軽減できます。特に足や膝の怪我の場合に効果的です。
痛みが長引く場合や強い場合は専門医へ相談
自己処置で改善が見られない、または激しい痛みや腫れ、動かせないほどの症状がある場合は、早めに整形外科やスポーツ整形、治療院に相談しましょう。専門的な診断や治療が必要です。
当院でのケアとリハビリ
ランニングによる怪我をした際、適切なケアとリハビリは早期回復と再発防止に欠かせません。ここでは、治療院で受けられる主なケアとリハビリの内容についてご紹介します。
痛みの軽減と炎症の抑制
治療院では、鍼灸やマッサージ、電気治療(低周波・超音波など)を用いて、痛みの緩和や炎症の抑制を図ります。これにより、患部の血行が良くなり、治癒が促進されます。
筋肉の柔軟性改善とバランス調整
怪我の原因となる筋肉の硬さやアンバランスを改善するために、ストレッチ指導や筋膜リリースなどの施術が行われます。筋肉の柔軟性を高め、関節の動きを正常化することで、再発リスクを下げます。
ランニングフォームのチェックと指導
専門の治療院では、ランニングフォームの動画分析や姿勢評価を通じて、フォームの乱れや癖を指摘し、改善のためのアドバイスを提供します。正しいフォームを身につけることで、怪我の予防につながります。
リハビリトレーニング
筋力トレーニングやバランストレーニングを取り入れたリハビリプログラムで、怪我の部位だけでなく、全身の機能を高めます。段階的に負荷を増やしながら体を強化し、安全にランニング復帰ができるようサポートします。
生活習慣のアドバイス
休養や栄養、睡眠などの生活習慣についてもアドバイスを行います。体の回復力を高め、ランニングを継続するための健康管理が重要です。
まとめとランニングを楽しむために
ランニングは、健康の維持やストレス解消に非常に効果的な運動です。しかし、正しいフォームやトレーニング計画がないまま始めてしまうと、膝・足首・腰などに負担がかかり、怪我のリスクが高まります。
特に初心者の方は「ただ走るだけだから簡単」と思いがちですが、実際には基礎知識や体の準備がとても重要です。
この記事でご紹介したように、以下の点を意識することで、怪我を予防しながら快適にランニングを楽しむことができます。
- ウォーミングアップとクールダウンを習慣にする
- シューズの選び方やランニングフォームを見直す
- 痛みを感じたらすぐに無理をやめ、適切な対処をする
- 必要に応じて、治療院などで専門家のアドバイスやケアを受ける
当院では、ランナーの方の体の使い方や痛みの原因を丁寧に見極め、根本的な改善につなげる施術・指導を行っています。「少し気になる症状がある」「フォームに自信がない」「再発を防ぎたい」といったご相談も歓迎です。
正しい知識とケアを取り入れることで、ランニングはもっと安全で、もっと楽しいものになります。いつまでも快適に走り続けるために、体と向き合う時間も大切にしていきましょう。
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