急性腰痛・ぎっくり腰にお悩みの方へ|症状・原因と超音波・鍼灸を解説

「朝起きたら突然腰が痛くなった」「重い物を持ち上げた瞬間に腰へ激痛が走った」「ぎっくり腰で立ち上がれない」といった急性腰痛は、日常生活の中で突然起こることがあります。

一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれていますが、ぎっくり腰は正式な病名ではありません。日本整形外科学会では、急に起こった強い腰痛を指す一般的な呼び方とされており、腰の関節や椎間板、筋肉、腱、靱帯など、さまざまな組織が関係する可能性があります。

メディカルジャパンでは、急性腰痛に対して身体の状態や発症した動作を確認し、必要に応じて2Dエコーによる軟部組織の評価、超音波治療、鍼灸、運動療法などを組み合わせています。

1.急性腰痛とは

急性腰痛とは、比較的短い期間に突然発症した腰痛の総称です。

代表的なものが、一般に「ぎっくり腰」と呼ばれる状態です。

重い荷物を持ち上げた瞬間や、身体をひねったときに起こるイメージがありますが、実際には、

  • 朝起き上がったとき
  • 顔を洗おうと前かがみになったとき
  • 靴下を履こうとしたとき
  • 咳やくしゃみをしたとき
  • 椅子から立ち上がったとき

など、日常的な動作でも起こることがあります。日本整形外科学会も、物を持ち上げる・腰をねじる動作だけでなく、起床直後や特にきっかけがなく発症するケースがあるとしています。

ぎっくり腰は「筋肉を痛めた」とは限らない

ぎっくり腰になると、「筋肉の肉離れを起こした」と考える方もいます。

しかし、急性腰痛では、

  • 腰背部の筋肉
  • 筋膜
  • 靱帯
  • 椎間関節
  • 関節包
  • 椎間板

など、複数の組織が痛みに関係する可能性があります。

そのため、痛みの場所だけを見て「○○筋が原因」と決めるのではなく、どのような動作で発症したか、どの方向へ動かすと痛むのか、脚の症状があるかなどを総合して評価することが重要です。

急性腰痛は多くの場合、時間とともに改善する

急性・亜急性の非特異的腰痛は、治療の有無にかかわらず時間とともに改善するケースが多いとされています。

ただし、「自然に治ることが多い=すべての腰痛を放置してよい」という意味ではありません。

脚の麻痺や排尿障害、発熱などを伴う場合には、別の病気が隠れている可能性があります。

2.急性腰痛で起こりやすい症状

急性腰痛では、腰の強い痛みに加えて、日常のさまざまな動作が困難になります。

突然腰に強い痛みが走る

「腰に電気が走ったような痛み」「ピキッとした」「その場から動けなくなった」など、発症の仕方はさまざまです。

痛む場所も、

  • 腰の中央
  • 左右どちらか
  • 骨盤の上
  • 腰から臀部

など人によって異なります。

前かがみになると痛い

洗顔、靴下を履く、床の物を拾うなど、身体を前へ曲げる動作で痛みが強くなることがあります。

腰を伸ばすと痛い

反対に、前かがみの姿勢から身体を起こす際や、腰を反らしたときに強く痛むケースもあります。

急性腰痛では「前屈が痛い」「伸展が痛い」だけで原因組織を確定することはできません。

寝返り・起き上がりがつらい

寝返りやベッドからの起き上がりでは体幹に力が入り、腰へ負担が加わります。

「横になっていると大丈夫だが、寝返りの瞬間だけ激痛が走る」という方も少なくありません。

椅子から立ち上がると痛い

長時間座った後の立ち上がりや、車から降りる際に痛みが強くなることがあります。

咳やくしゃみで痛む

咳やくしゃみによって腹圧が急激に上がるため、腰痛が強くなることがあります。

ただし、咳やくしゃみに伴って脚へ強い痛みやしびれが走る場合には、椎間板ヘルニアなど神経への影響も考える必要があります。

臀部・脚に痛みやしびれが出る場合

急性腰痛でも臀部まで痛みを感じることはあります。

一方で、

  • 太もも
  • ふくらはぎ
  • 足先

まで痛みやしびれが広がる場合、椎間板ヘルニアなどによる神経症状の可能性があります。さらに、脚に力が入りにくい場合も医療機関での評価が必要です。

3.急性腰痛の主な原因・関連要因

急性腰痛では、「この筋肉が原因」と一つに特定できないケースも少なくありません。

日本整形外科学会では、椎間板や関節、筋肉・腱・靱帯などの軟部組織へ大きな力が加わった結果、急性の腰痛が起こると考えられています。

腰の筋肉・筋膜への急激な負荷

腰を支える脊柱起立筋や多裂筋などへ急激な負荷が加わると、筋緊張や痛みが生じる場合があります。

特に、

  • 長時間同じ姿勢を続けた後
  • 疲労がたまっているとき
  • 運動不足の状態から急に動いたとき

などは、身体が急な負荷へ対応しにくくなります。

椎間関節へのストレス

腰椎の後方には「椎間関節」と呼ばれる関節があります。

身体を反らす、ひねるなどの動作で腰椎へ急激な力が加わると、椎間関節周辺へ負担がかかることがあります。

椎間板への負荷

椎間板は、背骨と背骨の間でクッションのような役割を果たしています。

前かがみの状態で重い物を持つなど、椎間板へ大きな力が加わる動作は腰痛のきっかけになることがあります。

靱帯・関節包への負荷

腰椎を支えている靱帯や関節包も、急激なひねりや過剰な動きによって刺激される可能性があります。

長時間のデスクワーク

デスクワークそのものが直接ぎっくり腰を引き起こすわけではありません。

しかし、長時間同じ姿勢を続けた後に急に立ち上がったり、前かがみで物を持ったりすると、腰へ急な負荷が加わる場合があります。

運動不足・体幹や下肢の機能低下

腰だけで身体を動かしている方では、股関節や臀部を十分に使えず、腰部へ負担が集中することがあります。

そのため、急性腰痛の再発予防では腰だけでなく、股関節・臀部・体幹の機能を確認することが重要です。

4.ぎっくり腰になりやすい動作

ぎっくり腰は、特別な運動をしたときだけ起こるわけではありません。

むしろ日常生活の何気ない動作がきっかけになることがあります。

重い物を持ち上げる

床にある荷物を前かがみのまま持ち上げると、腰へ大きな負担が加わります。

特に、荷物が身体から遠い位置にあるほど腰への負担は大きくなります。

前かがみから身体を起こす

洗顔、掃除、ガーデニングなどで前かがみを続けた後、急に身体を起こすことで痛みが出る場合があります。

腰をひねる

ゴルフ、テニス、荷物を横へ移す動作などでは、腰に回旋方向のストレスが加わります。

子どもを抱き上げる

子どもを床やベッドから持ち上げる際は、中腰・前かがみ・ひねりが組み合わさりやすく、急性腰痛のきっかけになることがあります。

朝起きる

睡眠後に腰回りが動かしにくい状態で急に起き上がると、痛みが生じる場合があります。

咳・くしゃみ

咳やくしゃみの瞬間には腹圧が高まるため、もともと腰に負担が蓄積している場合には痛みのきっかけになることがあります。

荷物を持つときのポイント

腰だけを曲げるのではなく、

  1. 荷物に身体を近づける
  2. 股関節と膝を曲げる
  3. 荷物を身体の近くで持つ
  4. 股関節・膝を伸ばしながら立つ

といった「ヒップヒンジ」を意識すると、腰だけへ負担を集中させにくくなります。

5.急性腰痛に対する超音波治療とは

メディカルジャパンでは、急性腰痛の状態に応じて超音波を利用するケースがあります。

超音波とは

超音波は、超音波による機械的な振動エネルギーを身体へ加える物理療法です。

設定によって、

  • 温熱作用
  • 非温熱作用

を使い分けます。

急性期では非温熱的に使用する場合も

急性期では、組織を強く温めることを目的とせず、パルス設定などを用いて非温熱的な刺激として使用する場合があります。

6.急性腰痛に対する鍼灸とは

急性腰痛に対する鍼灸では、痛みのある腰へ強い刺激を入れることが目的ではありません。

発症した動作や痛みの場所、身体の動き、神経症状の有無などを確認したうえで、筋緊張や痛みに対する補助的な施術として行います。

鍼で目指すこと

急性腰痛に対する鍼では、

  • 腰周囲の筋緊張を和らげる
  • 痛みを軽減する
  • 身体を動かしやすくする
  • 歩行・起き上がりを行いやすくする
  • 運動療法へ移行しやすい状態をつくる

といったことを目指します。

7.ぎっくり腰の再発予防

一度ぎっくり腰になった方は、「もう二度と起こしたくない」と考える方が多いでしょう。

再発予防では、「腰を硬くしない」だけでなく、身体全体の使い方を見直すことが重要です。

安静にしすぎない

痛みが非常に強いときは無理をする必要はありません。

一方、長期間ベッドで寝続けることは推奨されておらず、症状に合わせて可能な範囲で日常活動へ戻ることが重要です。

股関節を使えるようにする

物を拾う、荷物を持ち上げるときに腰だけを曲げる癖がある方は、股関節を使ったヒップヒンジを練習します。

臀筋を鍛える

大臀筋や中臀筋は、立ち上がりや歩行、荷物を持つ動作で重要な筋肉です。

臀部が十分に働くことで、腰だけへ力が集中するのを抑えやすくなります。

体幹を安定させる

腹横筋、多裂筋などを含む体幹筋を使い、動作中に腰椎が過度に動かないようにすることも重要です。

同じ姿勢を長時間続けない

30~60分を目安に姿勢を変えたり、短時間立って歩いたりします。

「良い姿勢をずっと維持する」より、同じ姿勢を長時間続けないことがポイントです。

急に高負荷運動をしない

痛みがなくなった直後に、

  • デッドリフト
  • 高重量スクワット
  • ゴルフ
  • テニス
  • 激しいランニング

などへ急に戻ると再発する場合があります。

軽い運動から段階的に負荷を戻します。

姿勢・歩行・身体の使い方を確認する

メディカルジャパンでは、急性期の痛みが落ち着いた後、姿勢や歩行、筋バランスを確認し、ホームエクササイズやリハビリへ移行する方針を紹介しています。

再発予防では「痛い部分だけ治療する」のではなく、

なぜ腰へ負担が集中したのか

を確認することが重要です。

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