足首のアライメントとは?— 身体全体を支える“土台”のバランス

1. 足首の構造と役割

足関節(ankle joint)は以下の骨で構成され、これらが作る関節を距腿関節(きょたいかんせつ)と呼びます。

  • 脛骨(けいこつ / tibia)
  • 腓骨(ひこつ / fibula)
  • 距骨(きょこつ / talus)

距腿関節は、背屈(つま先を上げる)底屈(つま先を下げる)の動きを担い、歩行・姿勢維持に重要な役割を果たします。

2. アライメントを観察する3つの視点

観察面 チェックポイント 主な異常例
前額面(正面) 脛骨と踵骨が一直線か 内反(踵が内側)/外反(踵が外側)
矢状面(横から) 背屈・底屈の可動域や重心バランス 過剰な底屈=前足荷重/過剰な背屈=踵荷重
横断面(上から) 足の回旋(内旋・外旋) トゥイン(内向き)/トゥアウト(外向き)
小さな歪みでも軽視は禁物。足首の「数ミリの傾き」が、膝や腰、首肩へのストレスにつながることがあります。

3. 全身への影響

足首のアライメント不良は、下肢から体幹へと「運動連鎖」を引き起こします。

  • 過回内 → 膝の内反 → 骨盤前傾 → 腰痛
  • 過回外 → 下腿外旋 → 股関節外旋 → 殿部やふくらはぎの張り

4. 臨床・スポーツ現場での対策

  • 評価:距腿関節の可動域・踵骨傾き・足底圧を確認
  • 施術:筋膜リリース、関節モビライゼーション、鍼灸による調整
  • 補助具:インソールやテーピングでアライメントを保持
  • トレーニング:足底筋群・後脛骨筋・腓骨筋のバランス強化
  • 生活指導:靴の選び方、立ち方・歩き方の見直し
当院では、リアライン・コアや足底圧解析などを組み合わせ、正しい足首アライメントの再教育を行っています。

5. まとめ

足首は建物で言う「基礎」。ここが傾けば、膝・骨盤・脊柱などの上位構造も崩れます。
立ち姿や靴底の減り方を一度見直してみましょう。小さなズレが不調の原因になっているかもしれません。

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